63.姻族関係終了届と死後離婚 

配偶者が亡くなってから義理の両親や親戚と縁を切るため
「姻族関係終了届」を出す人が増えています。
この5年間で急増していて、2017年度は4895件にものぼり、
また2018年10月15日放送の「あさイチ」(NHK総合)で特集され、
注目を集めました。

 

姻族関係終了届を出す人が急増しています


2015年から姻族関係終了届の提出件数は増え続け
2017年には約2倍の4895件になっているという結果が出ています。

義理家族との関係に悩んでいる人にとっては
素晴らしい制度!と思われる「姻族関係終了届」ですが
意外と知名度が高いものではありませんでした。

これはメディアで「死後離婚」というワードが出始めた事により
広く知られるようになってきたのではないでしょうか。

 

姻族関係とは?

法律上では、結婚すると配偶者との婚姻関係とともに、
配偶者の両親や兄弟などの血族との姻戚関係が結ばれます。
つまり、血のつながりがなくても、
結婚によって配偶者の血族と親戚関係になるということです。

姻族関係は、配偶者と離婚した場合には、
婚姻関係は終了とともに、
自動的に配偶者の血族との姻族関係も終了します。

しかし、配偶者(被相続人)が死亡した場合には、
婚姻関係は終了しますが、
配偶者の血族との姻戚関係は配偶者亡くなった後もそのまま継続されます。

姻族関係終了届とは?

姻族関係終了届は、配偶者の死後いつでも提出することができます。
本人の意思決定によるもので義理の親族の承諾は不要です。
本籍地、もしくは居住地の市役所などに「姻族関係終了届」を提出して
手続きは終了です。

親族に通知がいくことはありません。
また名字が旧姓に戻ることもなく(戻す場合は復氏届が必要)
遺族年金などの行政サービスは引き続き受けることができます。
また相続権も影響はありません。

 

戸籍には記載されます

自分の戸籍には「姻族関係終了届提出」と記載されます。
しかし、除籍されるわけではないので
戸籍には何も反映されず、姓と戸籍はそのままとなっています。
結婚前の戸籍や姓に戻したい時は
「復氏届」を提出する事になります。

 

縁を切れるのは自分だけ

姻族関係終了届は誰の許可もなくいつでも簡単に届けることができますし
受理された時点で義理の親族から縁を完全に切る事はできます。
しかし、子供は例外です。
そのため親族が生活に困ったり要介護者になった場合などに、
子供に扶養義務が生じる可能性が法律上はあり得るわけです。

亡くなった配偶者の代わりに子供が相続できる「代襲相続権」があります。

 

「復氏届」とは?

配偶者の死後、結婚前の苗字や戸籍に戻す手続きです。
相続や遺族年金の受給はそのままですが
子供と戸籍や苗字が別々になってしまいます。

子供の姓と戸籍はそのままとなってしまうのです。

子供が未成年で戸籍や姓を同じにしたい場合、
新たに自分の戸籍を作り
その後に子供の戸籍を移す必要があります。
(20歳以上の未婚の成人は希望すれば分籍して親とは別の戸籍を作れます)

そのためには
家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出し許可をもらわないと
いけません。

その後「入籍届」を提出して、子供の自分の戸籍に移す事ができ
同姓を名乗る事ができます。

 

配偶者が亡くなったら出すつもり……という人もチラホラ

配偶者が亡くなってまで姻族を続ける必要性があるのかどうか、という
疑問を抱いている人が少なからずいます。

また「(夫が義母よりも早く亡くなったら)出すつもりでいます」という
女性もいました。

経済的な理由で今すぐ離婚は考えていないけど、夫が死んだら
独身に戻りたい」というネットでの書き込みも見受けられます。

義理の家族との関係を断ちたい
夫と同じ墓に入りたくない」などの具体的な動機を挙げている人もいました。

逆に男性側からは

そんな寂しいことを言わないで欲しい」などという意見もあります。

夫側になる男性は呑気な意見が多いですが
自分の死後に奥さんに「姻族関係終了届」を提出されないように
今から奥さんとの関係、自分の親と自分の奥さんとの関係など
普段からよくリサーチしておくことをオススメします。

今更……という意見もあるでしょうが
何もしないよりはマシでしょう。

次回は「なぜ姻族関係終了届を提出するのか?」についてです。
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