64.姻族関係終了届と死後離婚2 

配偶者が亡くなってから義理の両親や親戚と縁を切るため
「姻族関係終了届」を出す人が増えています。
この5年間で急増していて、2017年度は4895件にものぼり、
また2018年10月15日放送の「あさイチ」(NHK総合)で特集され、
注目を集めました。

 

なぜ姻族関係終了届を提出するのか?

1.義理の親族との縁を切りたいから

今でも夫が長男の場合その妻が義親の面倒を見る、といった
暗黙のルールが根強くありますが、
最近では夫の両親の面倒を見たくないという理由で
姻族関係を終了したいという人が増えています。
また単純に姑との仲が悪かったためということもあります。
また、義両親、義親族との間を取り持つ夫がいたから、
何とか保っていられたがその必要もなくなり自分の中で見切りを
つけたいという気持ちが大きくなって
提出する人もいるそうです。

2.一緒のお墓に入りたくないから

法律上、妻が夫側の墓に入る義務などは定義されていません。
しかし、何もしなければ夫のお墓に入る可能性が高くなります。
そのため死んでまで仲の悪い夫と一緒になりたくない、
折り合いの悪い義理の親と一緒のお墓に入りたくない
お墓の継承など負担を強いられたくない、という理由から
死後離婚を選ぶ人もいるようです。
夫がすでに亡くなっているのに
夫側の面倒なことに巻き込まれたくない考えなのだそうです。

3.介護をしたくないから


直系の親族には扶養義務はありますが、
扶養義務には介護は含まれていません。

配偶者の親を介護する義務はなく親の介護はすべての実子の義務です。

親族は互いに助け合って暮らすという民法上の義務もあります。
しかし、どれだけ献身的に介護をしても義理の親の相続権はありません。
義理の親と養子縁組をしない限り「法定相続人」にはなれません。

「寄与分」という制度はありますが……
なかなか難しいのが現状みたいですね。

また民法730条で「同居の親族は扶養義務がある」とし
同居している場合、互助義務を負う事になっています。

民法877条では「特別の事情があるときは、
三親等内の親族が扶養義務を負うこともある」と規定しています。
同居していなくても「特別の事情があるとき」は扶養の義務があります。

長男の嫁=介護要員 という目で見られている(期待されている)
押し付けられそうだから……という危機感を抱いている生存配偶者も
多いのではないでしょうか。

 

ネットにあがっていた「姻族関係終了届」を出す主な理由

1.残された子どもを女手一つで育てて行かなくてはいけなくなり
 経済的に不安になった

2.義理の親族との不仲…間に入ってくれる夫が亡くなった事で
 自分自身の中では見切りをつけたいという思いが強くなった

3.義理の両親の介護が重荷

4.遺産トラブルがいやになった  となっています。

 

姻族関係終了届=死後離婚ではないのでは?

一方で、夫とは死別しただけで、
関係は良好だった人にとって「死後離婚」という言葉に
違和感があるのは当然だと思います。
届けはあくまで義理の親族と縁を断つもので、
夫とは死後も別れる気持ちなどないのです。
そもそもそんな気持ちにもなった事がない、と表現したほうが
当てはまるかもしれません。

 

復氏届=死後離婚ではないでしょうか?

夫の死後、夫とも関係を完全に断ちたいということなら、
戸籍を新たに作って、姓を戻す「復氏」が
死後離婚に一番近いのではないでしょうか。

次回は実際に姻族関係終了届を出した「40代女性」のリアルな体験記です。

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